Lullaby of Birdland

◎よく聴く曲、または特に思い入れのある曲、壱の2。


  バードランドの子守唄


  鳥たちの子守唄
  それはいつもあなたの吐息に私が聞く歌
  私の言葉では うまい言い方が無くて
  そうね、なんて言ったらいいかしら。

  2羽のハトが囁き合う愛の言葉を聞いたことがある?
  それは魔法の音楽の一種で
  私たちがキスをする時に
  くちびるで作る魔法と同じなの。

  泣き出しそうな古い柳の木
  彼は私が泣きたくなるのを知っているわ
  私が枕に顔を埋めてどれほど泣くかも
  あなたが私にさよならを
  言わなきゃならなくなったとしたらね。

  鳥たちの子守唄 低く囁いて
  やさしくキスして そして行きましょう
  飛んで、鳥のように空高く飛んで
  だって私たちは恋をしているんですもの。


  「Lullaby of Birdland/Sarah Vaughan」
   words: B.Y.Foster
   music: George Shearing
 
 
 
学生の時、いつも通り音楽室に練習に行くと
ある日クラリネットの先輩が、ピアノを弾いていました。
当時クラシック音楽しか知らなかった私は
不思議なその曲に、とても惹きつけられました。

彼女に楽譜をコピーしてもらって、それから私はレコード店にCDを買いに行きました。そして「バードランドの子守唄」を探し、偶然買ってきたのがこのサラ・ヴォーンでした。ジャズをよく知らなかった私は、家に帰ってCDをかけたら、ピアノ曲ではなくて歌が入っていたので、ちょっとびっくりしてしまいました。
その時はね、ちょっぴりがっかりしたんだよね。だってピアノ曲だとばかり思っていたし、その頃は人の声の歌なんてあまり聞いたことがなかったから。

 
その後、何回か聴くうちに
私はこの素敵な歌がとても好きになりました。
バードランドは、NYの52丁目に1949年に作られたジャズ・クラブの名前です。バードは偉大なるサックス奏者、チャーリー・パーカーのニックネームでした。「バードランドの子守唄」は、このバードランドでDJのパーティが行われた時にテーマソングを作ろうということになり、シアリングがうりゃっと10分で作った曲だそうです。すごいな...

チャーリー・パーカーのニックネームが何故「バード」かというと、彼がNYで音楽活動をしながらお金に困っていた時、働いていたレストランで、とんでもない量のチキンを食べちゃったからだそうです。その Jimmie's Chicken Shack というレストランで彼は皿洗いの仕事をしていて、そのお店では従業員は食事としてチキンが食べ放題だったのだそう。


チャーリー・パーカーは、ドラッグ漬けで短い生涯を遂げた、早熟の天才でした。彼の死を看取った医師は最初、死亡報告書に「推定58歳」と書きました。しかし、当時チャーリーは34歳でした。それほどに彼の身体は、ぼろぼろだったと言います。

私が学生の頃仲良くしていたジャズクラブの先輩が
チャーリー・パーカーを崇拝していました。
彼も、アルトサックス奏者でした。

いかん、話が長くなるので、このへんで。笑

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