初 霜

 
  心あてに 折らばや折らむ 初霜の
  おきまどはせる 白菊の花

  (凡河内躬恒/古今和歌集)
 
 
 
今日は二十四節気の大雪(たいせつ)。
大雪が過ぎると、冬至がやってきます。
寒くなりましたね。


いま私は家を遠く離れていて
ここでは先日、初霜が降りました。

とても冷え込んだ朝、
目が覚めたら庭に白いベールがかかっていました。
私はセーターをはおって外に出てみました。
植物たちが、氷の衣をまとっていたのでした。

朝、暗いうちに起きて、鳥の声を聴いています。
朝靄の中をすうっと氷がとけてゆきます。
しばらく忘れていた優しさのかたまりのようなものが
ここには空気となって、たちこめているようです。


空には、細い月が出ています。
もうすぐ冬至。
やわらかな、冬の季節です。
 

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