硝子の写真

先日、仲間と一緒に
湿板写真の撮影をしてきました。


1851年に発明された、湿板写真。
いま使われているフイルムが登場する以前、
写真はこのように、ガラス板に液体を塗って
撮影されていました。

ガラス板に薬剤を塗り、その液体が乾かないうちに
撮影と現像を終わらないといけないので、
当時の写真屋さんはとっても大変だったのだそうです。
屋外の撮影には、重たい道具一式だけでなく
撮ったその場で現像するために作業用のテントも必要で
その様子が、当時の資料に図解で示されていました。

おでん屋さんの屋台のように
「撮影&現像セット」みたいな
荷車付き暗室なんてのも載っていました。
さらにグレードアップすると、馬がついていて
「写真馬車」なるものもあったのだそう。
楽しそうだけれど…それどころじゃないくらい
たいへんだったんだろうなぁ。


今は、コンパクトなデジタルカメラの時代。
湿板の勉強を通じて、昔の人たちが苦労して
撮っていた「写真」を体験してみると
なんともいえず、硝子に写った映像が貴重に思えます。

それは硝子に、もう二度と残せない
大切な時間をとどめたように、感じられるのでした。

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