雨あがりの庭に、たくさんの水滴。
宝石を鏤めたような朝。
週末に懐かしい人たちと会いました。
同窓会は、まるで時間旅行のよう。
学生時代。
複雑な事情を抱えていた私には、最も受難の時期でした。
懐かしい皆や先生の顔を眺めながら、私はあの毎日が記憶にも残らないほど、必死に生きてしまった自分を思い出していたのでした。
そして、そんな自分の過去を見つめながら
楽しそうな皆の笑顔を、あらためて眺めた時。
私はようやく、自分の首から
十字架のひとつを下ろしたような気持ちになりました。
たぶん、これも旅のひとつなのですね。
Con te partiro。
イタリア語で「共に旅立とう」というこの歌は
Andrea Bocelli と Sarah Brightman の名曲です。
見たことも 訪れたこともない場所を
僕は君と共に渡っていく
船に乗り 海を越え
もうどこにもなくなってしまった海を
君と二人で よみがえらせよう
(「Con te partiro - Time to say goodbye」
Andrea Bocelli/L.Quarantotto、F.Sartori)
ひとつひとつの旅は、いつも次の旅へと繋がっていました。
旅を重ねるごとに人は優しくそして強くなっていきました。
つらいこと、楽しいこと。誰かと乗り越えることもあれば、
一人で旅立つこともありました。
そして、その旅の1ページに訪れた人々や、その景色が
今の私を造形していることに、気づくのでした。
たぶん、きっと、これからも私達は
いくつもの旅を重ねていくのでしょう。
懐かしい皆に、感謝を込めて。
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