先日、久しぶりに親戚の家へ遊びに行きました。
私の親戚は皆、寺院です。
祖父や父は勿論、伯父や従兄弟もみんな禅僧です。
私は物心がつくまで、坊主頭でない大人の男性と
会話をしたり接する機会があまりなく
小学校5年生で、担任の先生が初めて男性になった時は
これからどうしたらいいだろうと悩んだものでした。笑
主人と一緒に、幼い頃に遊んだ寺院の境内に入ると
なんだかくすぐったいような、満たされたような
不思議な気持ちになりました。
懐かしい伯父と伯母の笑顔は、相変わらずで
秋の日だまりのように、温かく爽やかなのでした。
じつは、主人の本家の書道家である比田井天来のお墓が
伯父が長年務めた建長寺にあるのでした。私達は
お互い、そんなこととは全く知らずに出会ったのですが
御縁とは不思議なものです。そんな比田井家ネタで
いつの間にか伯父と主人は意気投合。笑
鎌倉 建長寺の宗務総長を八年間務めた伯父は
穏やかでお茶目で、粋な方です。
茶の湯を愛し、庭園を愛し、伝統を支え。
風のようにふうわりと、それでいて
眼差しの奥にある心は力強いのでした。
お務めの御苦労話を語る中にも、喜びがあふれる
その語り口には、若竹のような瑞々しさがありました。
歴史と、今と、未来と。
時を見据える人の眼には、
光が宿っています。
それは美学そのものなのでした。
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