Aug. a Song for the Sea, 2003

◎よく聴く曲、または特に思い入れのある曲、伍の4。


  いつか風になる日
 
 
  遥か紺碧の空と海
  すべてをのみ込むあの蒼さよ
  還らぬ日の想いを胸に抱く季節
  儚き泡沫のような運命のものたちも
  果てしない輪廻を彷徨えるのなら
  いつもずっとずっと傍にいてあげる


 (「いつか風になる日 / 元ちとせ」
   作詞・作曲:岡本定義 )
 
 
 
海の写真、a Song for the Sea は
この歌を聴きながら作っていました。

元ちとせの歌はいろんな人が作詞していて
漢字の使い方や、懐古趣味な言い回しがとても洒落ていて、歌詞を読むのが楽しいです。


日本語はひらがながあって、カタカナがあって
漢字はかたちも意味も多彩です。
巷では、英語もフランス語もイタリア語も
カタカナにして一緒に並べちゃったり。

そんな国、あんまりないよね。
words の音とイメージと背景を使い分ける国。
ことばとコトバと言葉では、感じる印象が違う。
昔の人達が色や素材を重ねて着物を羽織ったように
大和の「ことのは」は、繊細な古の心が作った
美しい表現方法だと思います。


日本はほんとうにすてきな、ことばの国です。
そして、それを変化させていく柔軟さを持った
無邪気な風土の国。
変わっていくことは、昔を忘れるのではなく
幅が広がっていくことなのだと、私は思います。
心を簡単に忘れられるほど人間は単純ではないし
楽しさを疑うほど、人間は複雑ではないからです。

還らぬ日々に想いをめぐらせたり
静かに草木や、さかなたちの囁きに耳を傾けたり。
時には、古い書籍をといて懐古に漂うのも愉しい。

 
そんな折りは、ゆっくり時間をかけて
香しいお茶を淹れてね。
 

tomorrow « 2005. 10.26 from nature » yesterday top