雪まくり

「雪まくり」をご存知ですか。

私は初めて知ったのですが、雪が降りやんだ後に
斜面の上の方で樹上の雪が落下して、ふもとまで転がり
海苔巻きのように大きくなったもの。
それを雪まくりと言うのだそうです。

「おもしろいもの見つけた。」
雪のやんだ朝、だんなさまが嬉しそうに拾ってきました。
車の屋根からフロントガラスの斜面を転がってきた
ちいさなちいさな「雪まくり」。
 
 
 
先日、日本時間で3月2日午後10:40頃に
地球のすれすれのところを小惑星が通過していった
のだそうです。どれほど、すれすれかというと
地球と月の間隔の、5分の1の距離だったのだそう。

直径が30〜50mの小惑星。
あわや都市がひとつ壊滅するところだったとか。
観測で見つかったのが2月27日で、もうすでに
手の打ちようがなかった、と。

ぶつかってしまったら、都市ひとつどころではなく
地球は氷河期のようになってしまったのかしら。
もしかしたら一瞬にして消えたかもしれない世界を思うと
なんだかひどく今の日常が、偶然のことのように思えて
すこし、目眩がするのでした。
 
 
 
雪が転がってまるくなるのも、
小惑星がすれすれを通過するのも、
私が生きていることさえ、偶然の積み重ねなのだと
ちいさなちいさな雪まくりを眺めながら思います。

諸行無常をうたう人は多いけれど
それを諦めの常套句に使う人も多くて、
私は時々残念に思うのでした。
「どうせ消えてなくなるのだから」と
最初から手を離してしまったり。

循環することの美しさは
私達の細胞に組み込まれた、最高の誇りだと思います。

そしてその束の間に愛することや、哀しむことは
とてもたいせつな、命の水のようなものだと
私は思うのでした。
 

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